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形から入る天文ファン入門6

PCがあるならこのネタもアリだろう。

 PCのカスタマイズがアリならケータイだってアリだろうという安直な企画です。業務用のものにカスタマイズバリバリというのはお勧めしませんが、個人所有のものならいろいろ出来るでしょう。

Q:天文ファン向けおススメ機種なんてあるの?
A:別にこれという程のものはありません(をい)。いわゆるスマートフォンなら天文関係のアプリケーションをいろいろ入れて見せびらかす方向になりますし、昨今は普通の携帯電話でもいろいろ出来るので「この機種でないと」ってのはあまりありません。強いて言えばCASIOの防水モデルに「LIVE EARTH」という地球の雲の様子を準リアルタイムくらいで表示できる(その度に通信する)アプリが標準で入っているってのが方向性としては近いくらいでしょうか。アウトドア系の趣味ですので、防水・GPS対応になっているとうれしいかも知れません。そう言えば、私が持っていた初代ケータイはコスミックブルーという名前の色だったような気が…(コスミックというよりはスカイブルーでしたけど)。

Q:キャリアはどこがいいの?
A:好きにしてください(をいをい)。人里離れた山奥で星を見るときに電波が届くかどうかなんて判りません。800MHz帯のキャリアなら電波が届きやすいかというとそう言い切れない部分が多々あります(電波の有効利用という面を考えると飛びは程々に抑えるのが望ましい)。

Q:おススメアプリとかない?
A:かなり本格的な天文シミュレーションならiPhone向けの「iStella(アストロアーツ製)」あたりでしょうか。英語版なら他にいくらでもあると思いますが日本語は…。普通のケータイ向けのはあまり聞きませんが、個人的には月齢表示の待ち受けFlashとかスケジューラ用の天文現象データとかならちょっと需要がありそうな気も…。QVGAクラスの表示部できれいな表示を追求しても限度があるので、天文シミュレーションは3等星までの星座早見盤レベルでGPSに連動すれば十分実用的だと思います。

Q:もうちょっと一般的な路線のカスタマイズはないの?
A:画面の小さいケータイで待ち受け画像に凝っても面白みが少ないのは確かですね。私はM-Vロケット打ち上げの画像を待ち受けに使ってますが。アピール度で言えば着メロ、着うたの方が上でしょうね。あなたが女子高生ならデコ電のデザインに星座を入れてみるとかもあると思いますが、女子高生以外の人がやると痛いです。…土星のぬいぐるみストラップとか、どうでしょ?

Q:ストラップとかいいですよね!
A:最近は流行らないと聞いていますが?(をまえに流行とか言われたくないわ!)以前ISASのネックストラップを使っていましたが、ロゴが小さくてさりげないのが良かったのですが誰も気づかないのが難点でした(傷みが目立ってきたので使用中止しました)。今だったらJAXAですかね。黄道12星座(星占いに出てくるアレ)だったらそんなに苦労せずに入手できると思います。キーホルダーを改造するなんて手も考えられるので、星座早見盤キーホルダー(これは実在する)を付けたら目立つかも。…白戸次郎をチロとか言い張るのはやめておきましょう。

Q:おススメ着メロないですか?
A:無難で入手しやすそうなのは「Jupiter(ホルスト)」。多彩なアレンジもあり、着うたも多分あるでしょう。クラシックの曲だと、「月光(ベートーベン)」なんかもありますね。やや古い人だけ判ればいいという方針なら「Mr.Blue(八神純子)」(昔友人が入手してたので存在しないことはない筈)とか「Alpha(ヴァンゲリス)」(ないんじゃないかな、多分)とか。

Q:そういうのじゃなくてもっと最近の曲とかないんですか?
A:…タイトルの割に星を見る情景が出てこなくて夜出歩くための言い訳にしか聞こえない「天体観測」はやめておいた方がいいと思いますが。それなら「PRIDE(今井美樹)」の方が余程星見てます。「プラネタリウム」もタイトル負けっぽいような気が…。個人的には「冥王星より孤独」より「天球儀の涙」が欲しいんですが、ないよなぁ(最近じゃねーじゃん…)。

Q:もうベタなのでいいので何か教えてください。
A:スペースシャトルに日本人が搭乗した時にウェイクアップコールに使われた「ウルトラマン」とか、ベタベタに「ヤマト」とかですか?「銀河鉄道999(劇場版)」なら入手が容易かもしれませんね。宇宙に行く系統はまあいろいろありますが、星を見る系統はなかなか無くてねぇ…。昨年アニメ化された「宙のまにまに」なんてのもあるけど、いかんせんへんぴな時間帯だったので聞こえても多分見ていた人しか気付かないでしょう。「帰ってきたウルトラマン」と「ウルトラマンタロウ」なら星を見る系フレーズが出てきます。宇宙に行く系統なら超ベタベタな「スター・ウォーズ」をはじめ「アポロ13(曲の印象が薄いが)」とか「ライトスタッフ」のように洋画もありますな。

Q:有意義なケータイ利用法はないですか?
A:普通に考えれば、天文現象の情報などを扱っているメルマガを購読するのが手っ取り早いですね。プラネタリウムなどの施設の中には番組やイベント情報を配信しているところもあるので、ひいきの施設があれば購読してみてはいかがでしょう。本格的なのは無理がありますが、工夫すればカメラで案外天体写真っぽいものも撮れたりします(シーンモード切替とかセルフタイマーの活用がポイント)。GPSで現在位置確認もできますが、圏外では使えない機種もあるので微妙かも。天文に限ったことではないですが、アラーム・カウントダウンタイマー・スケジューラの類は活用したいですね。

Q:じゃああなたの欲しいケータイってどんなの?
A:星を見ているときに使おうとしてまぶしくて困らないように、夜モード表示(表示部の明るさを抑えた上で目を刺激しにくい赤系のカラーリングにする)機能と星見用ライト(白ではなく赤で光るライト)があるといいのではないかと。ライトは天文ファンのためだけにハードウェアを装備しなければならないので難しいですけど、夜モードは設定を調整するだけなので技術的には難しくない筈です。今使っているケータイなんて周囲の明るさセンサーが付いている(多分ワンセグ用)ので、真っ暗に近い時は自動的に切り替わってくれてもいいくらいです。あと、防寒用の手袋をはめたままでも容易に操作できる設計。カッターシャツの胸ポケットに入るサイズでバイクの冬用グローブをはめたままで操作できる設計なら申し分ないです。あと、水で壊したことがある人間として防水は必須。画面とキー、ポケットのサイズを考えると二つ折りタイプ以外の選択肢はなさそうな気がしますが、分厚い手袋をはめたままきちんと操作できるタッチパネルがあるならそれでも構いません(静電式はまず無理で感圧式でも的確に反応できるかどうかは怪しい)。スタイラスで操作しろってのは無しの方向で。GPSに加え磁気コンパスとモーションセンサーが付けば星座早見盤に使うには申し分ないです(これは標準装備される方向になると考えていますが)。

 …結局自分のケータイはそんなに天文ファン仕様になってない訳ね。

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さすがにそれはまずいだろう

…信者じゃない人には。

 最近巷で噂になっている?iPhone4、しばらく見てたらいろいろ情報が出てきたので私もちょっと突っ込んでみようかと思います。

 …と言っても、私が関心を持っているのはあの「持ち方によって電波強度が落ちてしまう(ように見える)」件だけです、とりあえず。個人的にソフトバンク網は信用してないので、よその回線で使える防水型iPhoneが出たら考えるかもしれません。

 iPhone4では本体の周囲を取り巻いているステンレスの帯の一部(下側)がアンテナを兼ねている訳ですが、無線をかじった人間にとっては「さすがにそれはまずいだろう」としか言いようのない設計って事になります。3G以降の携帯システムは通信の安定性や高速性を高める目的でほぼ間違いなく2つ以上のアンテナを持つ設計になっている筈ですが、そのうち一つが簡単に性能を失いやすい設計になっている事になるからです。iPhone4ももちろん別のアンテナを内蔵して2つのアンテナを併用する設計になってはいるのですが、内蔵アンテナがステンレス帯アンテナ(以下外側アンテナとします)のすぐ横にあるのでは意味がない…。

 普通のアンテナは給電部(中の回路との接続部)とかマッチング部(効率よく電波を出し入れするために電気的特性を調整する部分)の周囲に物があると特性が狂って性能が低下するので、手で触れないような形に設置するか、近づけても特性が比較的安定する絶縁体でカバーしてしまうなどの方法を採ります。前者はアンテナを完全に外に出しているアマチュアや業務用の無線機で普通に使われています(普通の持ち方をすればアンテナには触れない構造)。しかし飛び出したアンテナはポケットなどに入れると邪魔ですし、アンテナを上に向けて垂直近くになるように保つという使い方を強要する形になるのが良くないようで、携帯電話では本体に埋め込むタイプのアンテナが普通です。これには現代の携帯電話が音声通話以外の用途に使われる際に非常に使いにくいという事情もあると思います。絶対的な利得(感度と思っていただいて結構です)の低下は承知の上で、持ち方や向きなどで利得が変化しにくいようにする方が使いやすいのです(利得低下は複数のアンテナをうまく使うなどでカバーする)。しかしiPhone4の外側アンテナは外に、しかも本体正面から見て左下側に給電・マッチング部が露出していて、左手で普通に持つと簡単に特性が狂う構造になっています(右利きなら普通の持ち方ですよね)。「ケースを付ければ大丈夫」というのは、絶縁体で覆って間隔を取れば素手で触れるよりはかなりマシになるということです。他の大半の製品は最初からアンテナに直接触れないような構造にしている訳ですが…。

 で、本社のCEOが「他社の製品だって持ち方によっては利得が低下する」と言っているのは、電気を通す(=電波を遮る)手が電磁シールドとして働くのが主な原因で、これについては普通の持ち方をする限りあまり影響が出ないように設計するのが普通です。しかしiPhone4は分解写真を見ると本体左下側に内蔵アンテナを組み込んでいるので、普通に左手で持つとシールドしちゃうような位置なんですよね。なので、普通に持った時に外側アンテナも内蔵アンテナも(別の理由で)同時に性能低下を起こしやすい設計になっていることが伺えます。普通に持った時に出来るだけ性能低下しないように腐心している他社が猛抗議するのは、そりゃ当然です。

 昨今の携帯電話が外装に金属パーツをあまり使ってないのは、このアンテナ性能の問題を避けるためと既に数年前に聞いたことがあります(以前私が使っていたG'zONE Type-Rは金属ボディだったが、後継に当たるWIN対応機は樹脂化されている)。何せ日本の携帯電話ときたら通信用に2つ(以上)に加え、ワンセグやらラジオやらfeliCaやら無線LANやらBluetoothやらとアンテナの必要な機能が山盛りになってますからねぇ。そこんとこ考えると正直に本物のステンレスを巻かずに「ステンレス風」にしておけば…と思わなくもありません(昨今の金属メッキ風処理パーツはよく出来てるから)。いや、本物の質感を出すためには本物のパーツが必要だと言いたいのかも知れませんが、通信機器の本分は通信機能なので

 …そうか、iPhone4という名前のiPod touchなんだきっと。

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形から入る天文ファン入門5

そういえばこんなネタもある。

 PCを天文ファンっぽくカスタマイズ、となればやはりデスクトップの壁紙、スクリーンセーバーでしょう。昨今の仕事場で使うPCはカスタマイズ禁止だったり申請や許可がいるとか一筋縄でいかない場合も多々ありますが、単なる画像ファイルを表示するだけの壁紙ならそれほどでもないでしょうし、スクリーンセーバーに至っては動作を義務付けられている場合も多いので、便乗してしまいましょう。

 壁紙といえばおまけが最も少ないであろうWindowsXPのOEM版(私は仕事用PCとしてパーツとこれを渡された)でも「夕陽の砂丘(砂丘の向こうに月)」、「山頂と月(富士山山頂の向こうに月)」、「月面(月面のどアップ)」と天体の出てくる壁紙用データが入っていました。大手メーカー製の完成品を買ってくると皆既日食やら何やら追加されている場合も多いので、設定を見直すだけでも面白いかもしれません。私自身はこれらのギンギラした画像を背景にPCを使ってられないので、昔もらったオーロラの画像をコントラストを下げてグレーっぽく調整した上で使っていますが。

 仕事用のPCではお勧めしませんが、PCの処理能力が有り余っていれば今夜の星空を自動表示するWebページをデスクトップに設定するというのも面白いかもしれません(実態としては天文シミュレーションソフトをhtmlで呼び出すって感じでしょう)。私みたいに古い人間はアクティブデスクトップと言えば重くて落ちるというイメージを刷り込まれているのであまり手を出そうとは思いませんが、抵抗のない人にはいいかも知れません。

 スクリーンセーバーも今や本来の”セーバー”の役割としては機能せず、ただのアクセサリーないしセキュリティ機能の一環となってしまっていますが、どうせ使わなければならないのなら好みの仕様にしてしまいましょう。WindowsXPのOEM版ですと「宇宙旅行(星の海を突き進むお馴染みのアレ)」くらいですが、先日よく見たら星の数と速度の設定ができるんですね…数年使ってて初めて知りました。しかも速度の単位が「ワープ」だし(トレッキーかい!)あと使えそうなのは、自分で画像を用意すれば「マイ ピクチャ スライドショー(要するに”マイ ピクチャ”フォルダに入っている画像ファイルを次々表示する訳ね)」ってのがありますし、「伝言板」に設定するメッセージを「7月11日皆既日食」なんて感じにする手もあるでしょう。私がこんなのやると「こいつ休む気だな」とか言われる危険性があるのでやりませんけど。

 各種イベントのサウンドに天文関係の音を…って手もありそうですが、天文を直接連想させる音ってあまりなじみがないので面白くないような気もします。先日のはやぶさのビープ音とかスプートニク1号のビープ音とか…(天文じゃないって?私はミーハー天文ファンだからいいのだ)。著作権的にアレだがエラー音として「Houston,we have a problem(トム・ハンクスの声で)」とかやったらうけるかも?(日本語吹き替え版だと「トラブルだ」とか言っちゃって雰囲気が変わっちゃうのでいかんのだ。)

 こうしてみるといろいろいじりがいがあるような気もしてきました。まあ、適度にね。

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映画館はキライ

映画館のスタッフが、と言うべきか?

 昨日久しぶりに映画館に行ってきました。結婚前だとこの「久しぶり」が年単位でしたが、最近は数ヶ月ですけど。ここ数年は映画館と言うかシネコンな訳ですが、何度行っても気に入らない点が一つあります。

 「チケット売るのに何分も待たせるんじゃねぇ!」

 大抵のシネコンは指定席制ですから、チケット買うのに「”タイトル”の○時の回、大人一人」と言えば「A列の5番かD列の18番が空いてます」って言われ、「うーん、じゃあD列の方」「大人1名様で1800円になります」って感じのやり取りになると思うのですが、これを優に1分はかける接客ってどうなの?よほど変な払い方をしなければ1分以内に終われないか?

 …とまあ、いらつく事しきり。ちゃっちゃと客をさばいてトイレ行くなりお菓子買うなりの時間をひねり出させる方が親切というものではないのか。窓口5つくらいあって前に5組並んでいる状態で5分も待たされて、なんでみんなイライラしないのか私は不思議。

 そりゃ、客の方が窓口に来た段階であーでもないこーでもないとやってて遅くなるんなら別にこんなことは書かない。数系列数箇所のシネコンで何回か見に行ってことごとく待たされるのが不思議でならないのだ。ハードウェアは進歩しているけど、もうちょっと接客のレベルを上げてもらえんだろうか。

 あの程度の接客なら、自動販売機の方が親切ですわ…。

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形から入る天文ファン入門4

思われてるほど特殊じゃない?

 まともな天文ファンを目指すならいくらでも良い本やWebサイトがあるのでそっちを見ていただく方が早い訳ですが、お手軽に?1ランク上の天文ファンになりたいとかそんな方向を目指す方にはここが役に立つかもしれません。

 言うとたいていロクな顔をされない「(アマチュア)無線やってます」ってのと違い、「星が好きで(たまに)見てます」などと言うと勝手に「(案外)ロマンチストなんですね」とか言ってもらえて変に評価が上がります。星を見るために海外に行ったとか言うとさすがにドン引きされるかと思いきや、筋金入りとは思われてもマイナスイメージにはつながりにくいのが不思議なところです。1回くらい「海外に星を見に行ってきた」と言えるとやはりインパクトが違うので挑戦してみたいところです。

 海外まで行って星を見るというと、日食・オーロラ・南半球(北半球在住の場合)が主になるでしょう。一度は見ておきたい現象・光景の上位に来るものばかりです(流星群を挙げてないのは、日食よりさらに条件が厳しい上級者向けになってしまうからです)。楽さ加減で言うと南半球>オーロラ>日食の順になるので、この順で説明しましょう。

 まず南半球の星空ですが、行き先と日程の自由度が比較的高いのが最大のメリットとなるでしょう。極論すれば、南半球で夜晴れさえすれば目的は達せます。しかし大都市部は光害で星が良く見えませんし、現地が雨季だったりすると悲しいものがあります。で、南半球の星といえばやはり南十字星でしょうから、これの見やすい時期を狙うのが上策です。この辺を押さえれば普通のパックツアーで難なく対応できるので、予算的にも楽になります。

 個人的なお勧めは4月下旬~8月くらいまでのオーストラリア、エアーズロック1泊以上の観光を含んだツアーです。この時期であれば乾期に向かう期間で夜半くらいまで南十字星が容易に見え、しかも光害に縁がなく治安面でも比較的安心できる(これ重要)というメリットの多い旅行にできます。家族や友人と行くならこれも大きなポイントですが、一般のツアーであれば普通の観光があるので全くの無駄足という事態も回避できます。乾期でも雲は出るので出来るだけエアーズロック2泊以上のコースをお勧めしますが、3泊するには昼間の暇つぶしが難点になりそうな気もします(お金さえ出せれば何とでもなりますが)。ゴールドコーストも基本的には天気のいい場所と聞いております。

 晴天率が十分あるなら赤道直下付近のリゾート地という選択もありでしょう。気が向いたらシュノーケリング、気が向いたら星空を眺める、なんて余裕をかますのも贅沢ですな。

 続いてはオーロラです。厳密に言えば天文現象というよりは気象現象とも言えますが、天文雑誌にも記事が載るくらいなので天文に含んでしまって良いでしょう。南半球の星空と違い、晴れれば絶対見えるという訳にいかないのがポイントになります。つまり、晴れているときにオーロラが上空に出ている場所にいなければなりませんが、いつ出るかはほぼ予測不能なので博打の度合いが高くなります。「宇宙天気予報(太陽風などの予測)」である程度の傾向は狙えなくもないですが、行った先で見えるかどうかを予測できるほどの精度は見込めません(高度100kmくらいで起こる現象なので見る場所が100km変われば様子が大きく変わってくる)。方針としては出来るだけ見える可能性を高くする事を狙うのがベターでしょう。宇宙天気予報も考慮できるに越したことはありませんが、やはり晴天率の高い場所と時期、夜空の暗さを狙うのが基本です。よく誤解がありますが、オーロラが出る条件に地上の天気は関係ありません(が、出ているオーロラが見えるかどうかには天気が重要)。

 先日報道されたように赤道上空で発生するオーロラもありますし、低緯度オーロラという日本でも10年に1回以下くらいしか見えないのもあるにはありますが、一般的にオーロラが見える場所と言えば北極圏か南極圏になります。南極圏は一般人が行くにはハードルが高いので、オーロラを見に行く=北極圏に行くと考えて良いでしょう。パックツアーなどで楽に行こうと思うと事実上北米(カナダ・アラスカ)か北欧(フィンランド・スウェーデン・ノルウェー)、アイスランド(アイルランドではない!)の三択です(緯度的にはロシアも条件に合う筈だが…)。しかしアイスランドでオーロラ「」というツアーはあまり多くないようです。氷河やギャゥ(溶岩の見える割れ目)のように地上に十分な観光資源があるので、オーロラを売りにする必要性が低いのかもしれません。緯度的には全国土が北極圏なので晴れて出ていればどこでも見える訳ですから、オーロラ「も」の人向けでしょう。オーロラをメインにするならツアーの選択肢が多い北米か北欧が無難と考えますが、どちらが良いかは悩むところです。見える確率自体は大差ないのですが、北欧が夜半前からでも見えることが多いのに対し北米は夜半過ぎがメインと言われています。しかし科学的根拠があるのかは微妙ですので、オーロラの次に重視する要素で選んでしまって良いでしょう。大自然とウィンタースポーツを楽しむなら北米、行き帰りに都市観光を合わせるなら北欧です。もちろん北欧でも犬ぞりに乗るなどのアクティビティはいくらでもあるんですが、どうせ組み合わせるなら街の独特なおしゃれ感を楽しむ方が面白いですし、逆に北米で都市観光も楽しもうとすると移動時間が増えて効率が良くありませんから、山の自然に集中した方が良いでしょう。

 数年前に「夏のオーロラ」が話題になったのですが、確かに夏でもオーロラは出ます。寒くないので楽に見えるというのが売りでしたが、もちろん明るいうちは見えない(理論的には昼間見える可能性もあるが昼間見えるオーロラの下にいて大丈夫かは正直疑問)ので夜を待つ訳ですが、北極圏の夏と言えば白夜です。日の全く沈まない時期は外すとしても22時まで明るく3時には夜が明けているなんて状態ではオーロラが見える確率は間違いなく低くなります。確率が低いのを承知で行くとしても、8月後半以降くらいまでは待つべきでしょう(と言って9月になると黄葉シーズンになってかなり割高)。安くあげるなら黄葉がほぼ終わって雪もほとんどない10月が狙い目です。服装的にも初冬の札幌程度で済みます。端境期ゆえ、添乗員の付くツアーがなかなか催行されないとか日本語ガイドがなかなか付かないなどの難点もありますが…。

 なお、オーロラツアーにもいろいろあり、同じ場所に数泊滞在して粘るものもあればどう見ても北極圏内のホテルに泊まるだけで昼間の観光があくまでもメインなんてのもあります。見る場所もホテルの敷地からバスで見えそうな場所に移動してなんてのまで様々です。見えそうな場所に移動するのがいいかというと必ずしもそうでもないというのが難しいところで、楽さで言えばコテージ型のリゾートホテルの敷地内で見るのが安全かつマイペースで見えるので一番ですが、車で30分の場所なら晴れているのにここは曇り、という場合には対処できません。見えそうな場所を探して移動タイプだと見える可能性を上げられる半面、時間的な制約は厳しくなります。比較的多いパターンはホテルから徒歩10~15分くらい離れた決まった場所で見るタイプ(ホテル周辺が明るいとこうせざるを得ない)で、シャトルバスが終夜30分間隔で走っているようなら悪くないでしょう。-30℃の真っ暗闇の中30分も歩くのだと厳しいと思いますけど…。

 最後は日食です。見える時間も場所も限定されるので、それを外した選択はあり得ません。その上で晴れないと見えないのは同じです。1999年のヨーロッパ~中東皆既日食みたいに見える場所の多くが陸地ならまだいいですが、逆に陸地がほとんどないとか陸地だが紛争状態でとても行けないなんて事も多々あるので、条件のいい場所は早くからツアー業者に押さえられがちです。早くから事前に現地入りしてロケハン出来る人は別ですが、一般人は割高に感じてもパックツアーを利用する方が安全でしょう。

 しかしパックツアーもいろいろあります。完全に一発勝負なので晴天率だけで判断できないのが難しいところですが、それでも晴天率5割未満の観測地を選んでいるツアーを選ぶのはかなり厳しいでしょう。晴れない可能性の方が高いツアーなんてなさそうに思えますが、安全な陸地がそこしかないとか見えたらラッキーというレベルで企画されているとかいろいろな事情があります。陸地がそこしかないパターンだったらそれに賭けるか賭けないかしかありませんが、選択肢があるならわざわざ低い確率を選んで賭けることはないと考えます。しかし政情不安でツアー自体がキャンセルという可能性もある(実際私も出くわした)ので、事前のチェックは十分行いたいものです。同じような観測地のツアーであれば、前日に現地入りして自分の目でロケハン出来る日程がベターです。悪くても宿泊地が日食の見える範囲にあれば、何かトラブルがあっても日食が見えないという事態は避けられます。当日の朝に日食の見えない範囲から現地に入るという日程のツアーはできれば避けたいところですが、予算や日程が許さないとなればあきらめざるを得ません。しかし天気という人知でどうにかならないものを相手に博打を打つ以上、出来るだけ勝てそうな目に賭けるのが上策でしょう。

 日食ツアーも見えなかった時の保険として観光が組み込まれている場合が多いです。あまり興味のない人を連れていくならこの内容にも気を配る必要がありますが、人里離れたところでテント生活・三食インスタントとレトルトなんてツアーになる場合は、そもそも興味のない人を連れていかないのが賢明です(日食が見えなかったりしたら大枚はたいてインスタントと文句を言われること請け合い)。無理に連れて行くくらいならその予算で別の一般的な観光旅行に行くべきです。

 よくよく読んでいただくとお分かりかと思いますが、天文ツアーといっても実は押さえるべき点が多少違うだけで普通の観光と大して変わりません。ピラミッドを見たいのにインドに行ったりはしませんし―メキシコならありかも―、ブランド物買い漁りツアーなら免税店の充実したところに行くでしょうし、2010年ワールドカップサッカーが目的なら開催期間中の南アフリカに行くしかない訳で。

 以上のような(日本人にとって)ちょっと特別なものでなく、ただひたすら夜空が暗くて星がよく見える場所への旅、というのが実は一番贅沢かも知れませんねぇ…。

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