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地デジ化いろいろ

…基本推進派なんだけど。

 既に残り1年を切って久しいTVの地上アナログ停波ですが、未だに停波を延期すべきだとかいろいろあるので私もちょっと口を出してみようかと思います。

 上にも書いた通り、基本的に私はディジタル化推進派です。2011年7月24日で止められるアナログ波はばっさり止めるべき、停波延期なんてとんでもないと考えています。1回延期すれば「ごねればタダで移行させてくれるだろう」みたいな輩が大量発生する事は目に見えているので、出来れば今のうちに一度1ヶ月くらい止めてしまって痛い目に遭ってもらうのが得策なんじゃないかと考えているくらいです(台風と大雪シーズンを外して11月くらいにやれば大きな被害は避けられるでしょうし、突発的な災害があればその時だけ停波を止めれば宜しい)。現実的には今更こんな過激な事はできませんので―せめて半年前には予告しないとねぇ―、冬のボーナスシーズンにでもキャンペーンを打つくらいでしょうか。

 しかし、現状ではアナログ停波までにディジタル施設が間に合わない地域もあったりする上、東京スカイツリー完成の暁(2012年春予定)には問題ないと考えられているが東京タワーからの電波は受信できない地域(鎌倉市など)はどうするんだ(1年も使わない臨時中継局を用意するのか)なんて問題もあったりして厄介です。個人的には移動可能な臨時中継設備を作って対応するのが良いかなと考えていますが(不要になったら災害時などに使えなくなった中継局のバックアップとして活用する)、来年春には開発完了して稼働しなきゃいけないしねぇ…。

 そう、そもそも地上波で何とかしようとするからいけないのです。どうせ普通の人はNHK+在京キー局(順不同で日本テレビ、TBS、テレビ朝日、フジテレビ、テレビ東京)の番組+地域のローカル情報があれば困らないでしょう。幸いキー局は全て系列のBS波を持っているので、これで賄ってしまえばおしまいです。地デジで活用されているのはNHK教育くらいのサブチャンネル機能(高解像度1チャンネルを標準解像度3チャンネルとしても使える機能)で地域別番組を流せば良いでしょう(例えばフジ系「ネプリーグ」は多くの地域では月曜日19時からやっているが、関西テレビでは日曜日12時からやっていて、同時間帯には代わりに「冒険チュートリアル」というのをやっている)。NHKもBS1、BS2、BSHiをBS-G(地上波の総合相当)、BS-E(教育相当)、BS-N(BS1に近いほぼニュース専門)に再編すればどうでしょうか。どうせHD(高解像度)品質の画像が必要な番組はそこまで多くないので、視聴率がそこそこしかない時間帯はSD3チャンネルにして地方局制作番組を拾い上げるとかした方が、いわゆるコンテンツ不足問題の解消にもつながるでしょう。地方局は番組制作に特化し、放送設備の維持などはやらなくて済む体制としてしまう訳です。地方CMもサブチャンネルとは言え全国に流れるので、広告としては逆に効果的かもしれません。それでも嫌と言うなら独立U局合同チャンネルでも立ち上げれば良い訳で(どうせ1日の半分くらい通販番組流してるんだから全部まとめて1局で賄えるでしょう)。1990年代前半のテレビ和歌山なんか平日は放送自体が始まるのが昼前(1日の放送時間が12時間くらい)だったんですから…。

 いまさら言っても詮無い話ですが、私に相談してくれればディジタルTVは全国放送は衛星放送を基本とし、地上波はVHFの1~3チャンネルとUHFの31~34チャンネルにアナログを残して廃止というプランを提唱したのに…。残した地上波はNHKのBS-Nと同時同内容として娯楽関係は無し(あくまでもライフラインのバックアップとしての位置付け)とし、BSディジタル移行しきれなかった場合の救済策を確保しておきます。何故VHF1~3チャンネルとUHF31~34チャンネルかと言えば、VHFで放送している地域で1~3チャンネル・UHFで放送している地域で31~34チャンネル付近のどれも使ってない地域がない、つまり上記7チャンネルのどれも受信できないアンテナを使っている事は考えられない(VHFは全チャンネルカバーが当たり前、UHFは前半用・後半用・全チャンネル用に分かれるが、中間付近のチャンネルならどのアンテナもカバーしている筈)ので、どうにもならなくなるまで移行しない人対策はもちろんの事、万一放送衛星が全滅という事態になっても最低限の放送機能を確保できるという目論見もあります。ついでですがアナログ用7チャンネルのうち1地域で使うのは1チャンネルだけですから、残りは今のワンセグに相当する携帯機器向けディジタル放送に使いましょう(UHFの1チャンネルあればワンセグ相当なら13チャンネル確保できるので十分すぎますね)。

 そもそもディジタルに移行するメリットがどうとかこうとか仰る人もいますが、質の良い野生動物番組などを見るとSD(標準解像度)のアナログには二度と戻れません。だいたい今の一般家庭向けのTV画面は37~42型が当たり前と化しているので、フルではないHD画面でも1360×756ドットくらいはある訳ですから縦横半分ずつの情報量しかないアナログ映像を表示すると無理があります(個室向けの20型クラスでも近くで見るのであらが目立つという点では実は大差なかったりする)。それなりに受信できればゴーストなどにも無縁ですし、純粋に映る映像の事だけ考えれば一般の人ほどディジタル化の恩恵を受ける事でしょう。「映るか映らないかぎりぎりのところで見ている人のTVが映らなくなったらどうするんだ」という意見もありますが、「辛うじて映るがそこそこ映るに改善したらどうなんだ」と言っておきましょう(技術仕様に精通してないので確たる事は言えないが低解像度信号と高解像度信号を組み合わせて送るくらいの事は出来る筈なので、電波状態が悪い時には低解像度信号を優先して拾い上げる)。

 逆にディジタルTV放送のメリットの一つに挙げられている双方向機能はほぼ無意味と考えています。ディジタル対応TVを2台買った私ですが、どちらも双方向機能用の配線はした事がありません。と言うか、今更電話回線にアナログモデムをつなぐような真似させるな!LANでつないでもいい事があるようには思えないので、そちらも接続していません(1台目を買ったときにLANを接続してみたが、ネットを見るのにもあまりにレスポンスが悪いので二度と使おうと思わなかったので引っ越した後は未接続)。データ放送は使い道に依りますが、やはりリモコン操作のレスポンスがいまいちと感じた私は積極的に使おうとは感じません。…私のこの感覚がそんなに世間からずれているとも思えないので、実は解像度さえ我慢すれば簡易チューナーで十分という層も多いのではないでしょうか。思えば当初は双方向機能用のアナログモデムに衛星・地上波全てのチューナーまで全部入りを義務付けた結果TVの価格が高止まり→普及遅れ→間に合いそうもなくなって慌てて規制緩和して値下げ、みたいな話になっていた訳で、「高いのに映る番組は大差なし」で普及する訳はありません。「値段は大差ないのに映りがきれい」なら訴求効果はあったと思うのですが…。

 で、今更地デジなんか止めて全部衛星にしましょう、って訳にもいかないので、現実的には地デジ送信所が間に合わないところだけ延期もやむを得ないかなと感じています。もっとも、実は難視聴対策用に衛星からも各地の地デジと同じ信号をばらまいているようなので、地デジ送信所を整備するより衛星用パラボラアンテナを給付する方が安上がりな気もします。NHKが受信料を衛星料金を大幅(地上波の2割増以内)に下げれば契約件数が増えて減収はなくなるのではないでしょうか。増収もないと思いますが…。

 そもそもですね、電波による放送のメリットは同じ情報を同時に広範囲にばらまくのが容易という点であって、ニッチな番組を各個人にとか双方向のやり取りといった小回りを利かせるのは苦手な訳です。ニッチとか双方向はIP通信―光ファイバーと読み替えていただいても構いません―が得意ですが、こちらは本質的には同時にばらまくというのが苦手です(もちろん出来ない訳ではないが無駄に大容量か高度な設備が必要)。放送が双方向を目指すなとは言いませんが、今のような中途半端な仕様にするくらいなら電波の部分は「同じ情報を同時に広範囲に」を徹底させ、双方向機能などは拡張仕様として光回線に任せるくらいに割り切るべきだったんでしょうね。残念ながら放送の仕様をPCの世界みたいに数年で化石と化すような仕組みにしたら、サポート担当者が神になるか、さもなくば過労死者が量産されるか(ある意味神扱い)、大変なことになるのは間違いないでしょう。

 電波放送のメリットを最大限に生かすなら、衛星からばらまくのが一番です。東京とか大阪に住んでいると地上波だけでNHK2局+民放キー5局に加えローカル民放2~3局見えて当たり前に感じる事でしょうが、田舎は県庁所在地でもここ20年くらいでようやく民放3局体制になったなんて地域はごろごろしてます(県境付近だと隣県の放送も見えたりしますが)。衛星放送を主力にすればこの辺の格差は一気に解消できる訳で、情報インフラの観点からは地上波の延命より衛星波移行を推し進めていただきたいところです。ただ衛星だけに頼るのも怖いというのも判るので、バックアップとして整備していくのが現実的かなと考えます。私の構想で一番痛い目に遭いそうなのはローカル局の経営ですが、逆に全国制覇も狙えますからねぇ。

 とりあえず、「地上波なんか止めて全部移動体通信にすればいい」みたいなことを仰る経済学者様と一緒にされない事を祈ろう…。

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